どうしたら「区切り上手」になれるのか
感情コンディションを崩しやすい人はとくにそうなのです。
区切りのつけ方が下手な人から見れば、仕事でも遊びでもスパッと切り上げてしまう人を見ると、どうしてああできるのか不思議かもしれません。
「集中力があるんだなあ」と羨ましくなったり、「意志が強いんだなあ」と感心したりするかもしれません。
区切り上手の人は、仕事にも遊びにもリズムがあって、しかも溌剌としています。
だらだらと夜更かしをしないので体調も崩しにくく、翌朝は颯爽として、機嫌もよく見えるのです。時間ではなく「量で締め切る」では、どうしたら「区切り上手」になれるのか、考えてみましょう。
区切り上手の人は、「あとこれだけはやっておこう」という気持ちで仕事や作業に取り組みます。
「8時までやったら終わりにしよう」と考える場合でも、「最低限、ここまでやったら」という量的な目標を立てるのです。
量で区切ればダラダラした時間は少なくなる
区切り下手の人は逆に、「8時まではとにかくやろう」と考えます。そのとき、明確に量的な目標は立てていません。漠然と「そうすればこれくらいはできるだろう」と考えるだけです。
ちょっと考えると、量より時間で切ったほうが区切りはつきそうです。
量的な目標を立ててしまうと、それが終わらないかぎりいつまでも仕事や作業が続きそうです。こちらのほうが区切りはつかないように感じます。でも実際にはどうでしょうか?
たとえば夕方6時半に「8時までやろう」と考えれば、「あと1時間半ある」と思います。そこでなんとなく気が緩んでいると、たちまち10分、20分と過ぎていきます。
それで、つい「区切りよく7時になったら始めるか」と考えたりするのです。
しかも量的にはっきりとした目標がありませんから、予想したほど仕事も作業も進みません。「もう少し進めないと残業した意味がない」と考えれば、「あと30分」「あと1時間」と延びてしまうのです。
量で区切ればそういったダラダラした時間は少なくなります。
「これだけはやっておこう」と決めてしまえば、それが終わった時点で気持ちに区切りがつくからです。「よし、終わったぞ」が予定した時間より早くても遅くても、とにかくそこでおしまいです。拘束力も強いですね。
時間で区切っても、その時間を延ばす気になればいくらでも延びてしまいます。気持ち的にごまかしが利くのです。
量はそういうわけにはいきません。決めただけの量がこなせていない状態は、「まだ」です。決めた量さえこなしてしまえば「オーケー」です。「まだ」なら踏ん張るしかないし、「オーケー」なら解放されます。

