ワークスタイルが転職に際しての最重要ポイントにはならないが、転職してからは日々のことになるため、どんなコミュニティーの中で自分が仕事をしたいのかを、ちゃんと考えておいたほうがよい。
「想定外」を覚悟しないと、ストレスでつぶれてしまうかも
どちらがよいのか、悪いのかというという議論ではないが、私は若いときには、自分の存在が「マイノリティーになるコミュニティー」で仕事をする経験をしたほうがよいのではないかと思う。異なる考え方やコミュニケーションの仕方を受け入れる素養が身に付くからである。
仕事の内容、評価、日常生活(言葉やワークスタイル)、人間関係含めて、日本企業で働いてきた人たちからすれば、外資系の企業は想定外のことが多いかもしれない。押さえておくべきところを間違えると良い仕事をしても評価はされないし、これまで働いてきた環境とあまりにも異なる環境で仕事をするのは、相当なストレスになってしまうかもしれない。
そして、最後の論点は報酬である。業種によるが、私が生きてきたIT業界で言えば日本企業の報酬は外資系と比べると見劣りがする。もちろん何をゴールにするのかによって変わるが、報酬と役職が1つの成功の要素であることは、間違いない。
次回は具体例を挙げながら、報酬と役職について「なぜ失敗するのか、どうして成功したのか」を解説しよう。(続く)
インフォシスリミテッド日本代表。1986年、一橋大学経済学部卒業後、同年日本電信電話株式会社に入社、株式会社NTTデータ、外資系コンサルティング会社等を経て、2013年6月より、株式会社NTTデータ グローバルソリューションズの代表取締役に就任。NTTデータグループの日本におけるSAP事業のコアカンパニーの代表として事業拡大に貢献した。2017年1月より現職。著書に『グローバル競争を勝ち抜くプラットフォーム戦略』(幻冬舎)がある。