法則1●「判断する」スピードが速い

何歳からでも地頭は鍛えられる

「地頭のよさ」が、広く注目されています。社会環境が目まぐるしく変化していく中、企業にとっても既成概念にとらわれず、新しい経営課題に柔軟に対応できる地頭のいい人材が、求められているからと考えられます。そのように、地頭のよさとは、一般に本質的な知的能力を指すわけですが、そこには、「生まれつきの頭のよさ」といった意味合いも、多分に含まれていることがおわかりになるでしょう。

地頭のよさは、先天的に決まるものと思われがちですが、私は、そう考えていません。学習法や生活習慣、メンタリティなどを改善すれば、地頭はいくらでもよくすることが可能です。もちろん、社会に出てからでも、「地頭がいい人」になれるのです。というのも、かく言う私自身が、後天的に地頭がよくなった好例だからです。

私は高校2年生のとき、偏差値が35という「落ちこぼれ」でした。大学受験にも失敗して2回浪人しましたが、受験勉強のやり方を工夫することで、東京大学(以下、東大)に合格できたのです。東大に入れなかったからといって、頭が悪いとは限りませんが、大学受験の最難関である東大には、「頭がいい人」しか入れません。

つまり、劣等生だった私が、東大に入れたということは、人生の途中で「頭がよくなった」からにほかなりません。確かに、これまでの多くの研究で、数学の才能や論理的思考力と遺伝に、強い相関関係があることもわかっています。しかし、そうした先天的因子は、頭のよし悪しを決めるファクターとしては、ごく限定的でしょう。東大生のうち、もともとの「天才」は数%くらいで、残りは私のような努力型の秀才タイプと思われます。つまり、東大生からは、地頭を鍛えるコツも学べるわけです。

その答えの一つが、地頭のよさは「思考回数の多さ」だということです。私が東大生を観察したところ、「物事を判断するスピードが速い」という特徴を見出しました。地頭がいい人には、「思考が深い」というイメージがあると思いますが、物事を判断するスピードが速く、思考の回数が多いため、結果的にアウトプットの質が高くなっているというのが、正しい認識でしょう。

地頭がいい人は、日常生活でも、ランチのメニューをすぐ決めるし、ビジネスの世界で結果を残す人も、「即断即決タイプ」が多いのです。

法則2●事前に細かくスケジュールを組む

スケジュール管理は10分単位がいい理由

考える回数を増やせば、思考回路が鍛えられると説明しました。思考の量が多くなればなるほど、地頭はよくなるでしょう。しかし、ただ漫然と頭を使えばいいというわけではありません。

効率的な地頭のトレーニング法として私がお勧めしているのが、タスクの時間管理です。地頭のいい人の思考や決断が速いのは、時間の制約の中で、最大のパフォーマンスを発揮できるように訓練しているから。時間を区切ってメリハリをつけて勉強したり、仕事に締め切りを設けたりするといった、徹底した時間管理によって、回転の速い頭脳は養われるのです。

【図表】スケジュール管理のコツ

目標はなるべく数値化し、目標達成までのスケジュールも、細かく設定しておくとより効果的です。現実的な目標をクリアできると、達成感を得やすく、次のチャレンジにつながります。数値があれば、目標を目指しやすいし、次の目標も見つけやすいのです。

例えば仕事において、「今週中にプレゼン資料を仕上げる」という目標を立てたら、「金曜日の午前中までにスライドを完成させる」といったように、目標達成までの具体的なスケジュールも併せて設定しておきましょう。期限を設けずに作業を進めていると、「まだ完成度が足りないから」と先延ばしが続き、作業時間がどんどん膨らんでしまい、業務全体の効率が悪くなってしまいます。