好況だからといって浮かれてはいけない

株式市場の活況を背景に、SMBC日興証券は“攻めの経営”を強めている。この4月、三井住友銀行副頭取から同社社長に就任した久保哲也氏に新たな経営戦略について聞いた。

――アベノミクスによるデフレ脱却を狙う経済政策は、市場の期待感に働きかけた。その結果、昨年末からマーケットは円安・株高で推移しているが、どう評価しているか?
SMBC日興証券社長 久保哲也氏

【久保】2007年の突然の辞任後、安倍晋三総理が捲土重来を期して、じっくり準備してきた政策が非常にうまくいっていると思う。いわゆる「3本の矢」のうち財政と金融については、就任直後の大型補正予算と“異次元の金融緩和”で評価が高い。なによりもマーケットがいち早く反応したことがその証拠だ。