年を重ねると、脂質の多い食事のあと胃もたれに苦しむことがある。書籍『はじめての胃もたれ』を上梓したフードライターの白央篤司さんは「胃もたれに苦しまず、爽やかに過ごすためにはちょっとしたコツがある」という――。(第1回)

※本稿は、白央篤司『はじめての胃もたれ 食とココロの更新記』(太田出版)の一部を再編集したものです。

焼肉
写真=iStock.com/taka4332
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43歳で「はじめての胃もたれ」

「あなたの胃は、もう昔のあなたの胃ではないのですよ」

そう気づかせてくれたのは私の場合、牛カルビだった。昼に焼肉ランチを奮発したところ夜になってもお腹が空かない。むしろなんだか、胃が張って気持ちが悪い。夕飯は控えめにして胃腸薬を飲み、さて寝るか……と思ってもムカムカして寝つけない。そんな悪い肉じゃなかったのになあ……などと思いつつ悶々としながら横になっていた、43歳の夜。

消化力には自信のあるほうだったから、最初は正直ショックだった。若い頃はグルメ雑誌のライターとして「今月はうなぎを担当してください、10軒レポートお願いします」「今月は親子丼の名店特集を任せたい」なんて依頼を毎月受けつつ、プライベートでは話題の飲食店やなじみの酒場をまわる日々。気がつけば40歳を過ぎて、昔のままの気持ちで過ごしてしまっていた。

自分が胃もたれを起こした、ということをなかなか承服出来ない。たまたま胃が疲れていたんだろう。自分じゃ気づかなかったけど、先日の取材がストレスだったんだろうか。胃薬が合わなくなったのかな、もうちょい高めのを買ってみようか……とかなんとかお茶を濁して、また似たような体験(脂っこいものを楽しんだ後に胃がもたれてしまう)を繰り返す。

「消化にいい」のはどんな料理か

「うーーーん、これじゃいかんなあ」

あるとき、意を決して考え始めた。食べることを楽しめないというのは私にとって人生最大のストレスである。もうちょっと自分の体が何を求めてるのか、どうしてほしいのかに向き合ってみよう。胃がもたれた翌日は「消化のいいものを作ろう」と思い、おじやを作ったり、野菜を細かく刻んでスープを作ったりしていた。

しかし、そもそも「消化にいいもの」ってどういうものだろうか。小さい頃、お腹をくだすと親がおかゆやうどんを作ってくれていたので、そういうものだと思ってきたけれど、実際にきちんと調べたわけではない。

ツイッター(現・X)で「消化のよいものを、と言われたとき、どんなものを選んでいますか」とフォロワーさんに尋ねてみたら、287リプライをいただけた。1位は「おかゆ」で68票(白がゆ、しらすや梅干し入り、卵入りなど)、2位は「うどん」(素うどん、かきたま、あんかけ、味噌煮込み、おろし大根入りなど)で61票、3位がにゅうめん(あたたかいおつゆでいただく素麺のこと)という結果に。以下、すりおろしたりんご、温豆腐、ヨーグルト、ポタージュや玉子豆腐などが続く。