健康診断で「肝臓が悪い」と指摘されたけど、体は元気だから大丈夫――。そんな考えは甘すぎる。肝臓が悪くなれば、あらゆる病気の原因になる。自覚症状がないまま進行する恐ろしい肝臓病の正体とは。
肝炎ウイルスのイメージ
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PART1 お酒を飲まない人も脂肪肝に。なぜ放置すると危ないか

毎年、健康診断で「脂肪肝(脂肪性肝疾患)」を指摘されているけれど、よくならないのが当たり前になっている――。身に覚えはありませんか。体調に影響がないために放置してしまう人は少なくありませんが、実は、脂肪肝は非常に危険な症状です。

本来、脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪といった脂肪組織に蓄えられます。しかし、糖質や脂質の過剰摂取が続くと、本来蓄積されるべきでない臓器の細胞にまで脂肪がたまるようになる。これを「異所性脂肪いしょせいしぼう」と呼びます。脂肪肝はその代表例。日本人は成人の3人に1人が脂肪肝という報告もあります。

脂肪肝が増え始めるのは、男性は30代から、女性は女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減り始める40代後半からです。脂肪肝は一般に、腹部超音波検査やCT、MRIを使って診断されます。脂肪肝になった肝臓は、高級食材・鴨のフォアグラにそっくり。正常な肝臓は血液を多く含む赤い色味ですが、脂肪がたまると黄白色を帯び、見た目も大きく変化します。肝臓細胞の5%以上脂肪が蓄積された状態が脂肪肝とされますが、画像診断で異常が認められ、医療機関で診断されるのは30%以上になってから。初期は自覚症状こそないものの、細胞内の脂肪が肝臓の働きを邪魔し始めます。