健康診断で「肝臓が悪い」と指摘されたけど、体は元気だから大丈夫――。そんな考えは甘すぎる。肝臓が悪くなれば、あらゆる病気の原因になる。自覚症状がないまま進行する恐ろしい肝臓病の正体とは。
肝炎ウイルスのイメージ
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PART1 お酒を飲まない人も脂肪肝に。なぜ放置すると危ないか

毎年、健康診断で「脂肪肝(脂肪性肝疾患)」を指摘されているけれど、よくならないのが当たり前になっている――。身に覚えはありませんか。体調に影響がないために放置してしまう人は少なくありませんが、実は、脂肪肝は非常に危険な症状です。

本来、脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪といった脂肪組織に蓄えられます。しかし、糖質や脂質の過剰摂取が続くと、本来蓄積されるべきでない臓器の細胞にまで脂肪がたまるようになる。これを「異所性脂肪いしょせいしぼう」と呼びます。脂肪肝はその代表例。日本人は成人の3人に1人が脂肪肝という報告もあります。