旧友と昔日の熱い記憶を語り合う、取引先を郷里の店に招待する、知らぬ土地の料理で旅気分……使い道いろいろ、編集部厳選のうまい店をご紹介。

食都・大阪の底力は、郷土料理も昇華さす

食の街・大阪では、郷土料理もまた数多ある「うまいもん」の1つ。大衆食堂の名物が沖縄そばだなんてことも珍しくない。ただし、現地のそれとはひと味違うアレンジを効かせている店が多いのは、食都の意地、いやいや心意気だろう。それを食べた地元出身者が「さすが」と感心するというのも大阪ならではの話だ。

「日月あん」は福岡出身の坂本かなさんが切り盛りする居酒屋。魚料理には母親手製の柚子胡椒を添えたり、煮物は福岡発の十文字醤油で味付けたりと家庭的な味に酒が進む。創作料理も豊富で、福岡出身者のみならず、食にうるさい大阪人たちをも唸らせている。「福岡の食文化はもともとよかとこどり」と坂本さん。