2025年4月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。社会部門の第3位は――。
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世界最低水準の出生率、日本と韓国の共通点
厚生労働省は2月に、2024年の日本の出生数が過去最少を記録したと発表した。読売新聞は、出生数は全ての都道府県で前年より減少し、少子化は想定より15年早いペースで進んでいると報じた。日本の2024年の正確な出生率はまだ確定していないが、2023年時点では1.20であり、依然として日本は世界最低水準にある。
同じ東アジアの韓国の数字は日本より低い。ただ、2024年の出生率は前年の0.72から0.76へと9年ぶりに微増した。これはコロナ禍による出産の先送りが原因と主に見られているが、少子化がゆっくりと改善しているとの意見もある。
日韓はともに非常によく似た社会を形成しているが、両国の最新の社会構造を比較することで、少子化を引き起こす共通の理由が浮き彫りになるのではないか。そこで韓国で少子化の事情に詳しい女性政治家2人に取材した。
学部レベルの大学名が一生ついて回る、歪んだ学歴主義
日韓両国に共通するのは、大学院ではなく、“学部レベル”の大学名が一生ついて回る学歴主義だ。
韓国政府大統領直属の少子高齢社会委員会のメンバーで与党・国民の力(PPP)に属するオク・ジウォン委員は、「韓国はやり直しのきかない国」と語る。
「韓国の教育制度は、小中高12年間、他人と競争し続けることを教えています。そこで学ぶのは、負けるのは自分か相手かというゼロサムゲームです」(オク委員)
韓国では大学間の編入が可能だが、イ・ヒョウォン・ソウル市会議員によると、ほとんどの大学生が「最初に入った大学名を記録から消すために、もう一度入試を受け直す」そうだ。韓国でも日本の「仮面浪人生」と同じ現象が起きている。学部よりもレベルの高い大学院へ進むことを「学歴ロンダ」と日本人が呼ぶように、最初に入った学部の大学名が韓国でも重要視される。オク委員はそんな韓国を「一発勝負社会」と呼ぶが、日本も似たり寄ったりのところがある。