人気のあるキャバクラ嬢とそうでないキャバクラ嬢との差もはっきりしてくる。一晩に5人も6人も指名が入るような子と、1週間いてもほとんど指名がないような子。収入も、天と地ほど違うわけだ。

大袈裟に言えば、早くも成果主義を身をもって体験することになる。これから渡っていかなきゃならない競争社会の洗礼を受けるわけだから、すごい勉強になる。働く子も、働かない子も同じ時給をもらえるようなバイトとは、仕事に向き合う姿勢が違ってくる。

お客を取り合う、誕生日に花束のプレゼントの数を競う、そういった真剣勝負と見栄の世界を、若いうちに経験することはいいことだよ。

キャバクラで接客すれば、自分がこの仕事に向いているか、向いていないのか、すぐにわかる。言ってみれば、社会勉強であると同時に、自分の職業の適性を判断する場にもなる。人気が出る子というのは、容姿だけの問題じゃない。なんとなく愛嬌があって、みんなに可愛がられる子っているんだな。

逆に、接客業に不向きな子もいる。こうした子は、将来営業の仕事なんかに就かないほうがいい。無理にやっても、ノイローゼになるのがオチだ。それよりも、人とあまり接しなくていい経理や法務の仕事を、コツコツとやればいい。

企業も、コンプライアンスがより強く求められるようになっているから、今後はこうした仕事は重要になってくる。

「キャバクラでバイトしていた」と言うと、就職活動では不利なのかな。僕が採用担当なら、キャバクラでいい成績を挙げている子を積極的に採る。そして、営業に回す。きっと、辣腕の営業ウーマンになるに違いないから。

理学博士 
池田清彦

1947年生まれ。早稲田大学国際教養学部教授。テレビ番組「ホンマでっか!? TV」の歯に衣着せぬ発言で大人気。
(構成=樺島弘文 撮影=澁谷高晴)
【関連記事】
わが娘をセレブ妻にする絶対法則はあるか
AKB48に入りたがる娘を宝塚に行かせるには
娘のカレ氏が気に食わないときどうするか
3人娘の進学・成人・結婚が「名ばかり高収入」に追い討ち
娘が悪質スカウトに引っかかり多額の契約金を取られた