問題山積の「大阪・関西万博」ニュースはPR一辺倒でいいのか

4月13日に開幕する大阪・関西万博の報道にも触れたい。カジノを含む統合型リゾート(IR)ありきの会場(大阪市此花区)選定▼建設費が当初の倍の2350億円▼入場券販売は目標の約半分の800万枚(2月末現在)▼海外パビリオンの外観完成は47カ国中6カ国(同)▼木製大屋根リングの再利用計画が進まず、追加の解体費用が発生する見通し▼無料招待辞退の学校続出▼万博工事で業者確保が困難になり、会場から約890キロ離れた青森県むつ市の総合病院の新病棟建設が遅延――と際限のない問題に加え、2月に毎日新聞が実施した世論調査では「万博に行きたいとは思わない」が67%、「行きたいと思う」(16%)を大きく上回るなど、逆風が収まる兆しがない。

 在阪のNHKも民放も、当初は問題を追及する報道がそれなりにあった。しかし開幕が近づくにつれ、NHKを筆頭に「万博の魅力」一色に。それは批判から一転し、「感動」報道に軸足を変えた4年前の東京五輪と重なった。

 関西ローカルでは「万博のおへそ」(MBSテレビ)や「もうすぐ万博!ミライのネタ」(読売テレビ)、「ぐるっと万博おひるまえ」(NHK大阪、4月4日スタート)といったレギュラー応援番組やコラボ企画も始まった。在阪局や新聞社、有力スポンサーが何らかの形で万博協賛企業に名を連ねている事情もあるのだろう。とはいえ世論が大きく分かれ、莫大な公金が投入される国策について報道番組までが批判を封印し、府・市が進める機運醸成に肩入れするのは違和感を覚える。

月刊誌「GALAC/ぎゃらく」は、テレビやラジオの優秀なコンテンツに贈る「ギャラクシー賞」を主催する放送批評懇談会が編集・発行する、日本で唯一といっていいテレビとラジオの専門誌、批評誌です。放送の“コンテンツ”にとことんこだわり、放送メディアのあり方を考えます。「GALAC」最新号内容紹介はこちら
【関連記事】
フジテレビの隠蔽は中居正広だけではなかった…「名物キャスターの幼稚なセクハラ」がまかり通るテレビのヤバさ
だから新聞離れが止まらない…10日間「隅から隅まで新聞を読んだ」大学教授が気づいた日本の報道の決定的問題
権力者を叩くのは割に合わない…差別に敏感なテレビが「高齢者は集団自決」発言だけは黙認した闇深い理由
それでも「フジテレビ=泥船」とは言えない…「退職者続々」と報じられるテレビ局の現場が考えていること
「今から行くから待ってろコラ!」電話のあと本当に来社したモンスタークレーマーを撃退した意外なひと言【2023上半期BEST5】