等身大の悠仁さま

たとえば、お茶の水女子大学附属中学校を卒業された時の作文「開・啓・拓の思い出」(令和4年[2022年])を拝見しても、ご会見で述べられた皇室像につながる要素はまったく見当たらない。

そこで述べられていたのは、一例を挙げると以下のようなことだった。

「学校の活動を通じて、多様な視点をもち、考えを深めることの重要性を学びました。また(中3の)二学期には、一年生のときから探究してきた自主研究をまとめ、自分の興味を深めることができました。これらの経験は、これから歩む自らの道を拓くことに繋がっていくように思います」

作文全体にわたって、このようなトーンで統一されていた。

これは、皇室との関連が感じられない「ご感想」とは、スムーズにつながる。しかし、ご会見で見せられた“皇族らしさ”とは、うまく接合しない。

愛子さまの揺るぎなさ

それと対照的だったのが、令和の皇室でただお一方だけの直系の皇女、敬宮としのみや(愛子内親王)殿下のご成年に際しての「ご感想」や記者会見だった。それらは、敬宮殿下の以前からの歩みと、そのまま自然につながっていた。

たとえば、敬宮殿下が学習院女子中等科1年の時に書かれた短編ファンタジー小説「看護師の愛子」(平成27年)を見ても、そうだ(2024年1月30日配信「中1で書いた小説が示唆していた…愛子さまが大学院進学でも留学でもなく、日本赤十字に就職する理由」参照)。この作文では、傷つき苦しむ“命”に対して、献身的に尽くしたいという心の奥に秘められた思いが、おそらく当時のご本人が自覚しておられた以上に、ストレートに表現されていた。

そのお気持ちの延長線上にあるのが、ご成年会見でのご発言だった。このご会見では、ご自身の皇室の一員としての在り方をめぐって、次のように述べておられた。

「苦難の道を歩まれている方々に思いを寄せ続けるということも、大切にしていくことができればと思っております」

まさに「看護師の愛子」に描かれたモチーフとぴったり重なる。

原稿用紙と筆記用具
写真=iStock.com/years
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