率直で正直な若き天皇陛下のご会見

ここで、天皇陛下のご成年に際しての記者会見についても、振り返っておこう(昭和55年[1980年]2月20日)。

陛下は当時、まだ浩宮ひろのみや殿下と呼ばれていたが、皇族の一員としての在り方について、以下のように述べておられた。

「今の皇室の中心であられる天皇陛下(昭和天皇)もやはり国民の幸福を願い続けておられると思うんです。やはり皇族の一員であるぼくとしても、陛下のご態度にならいたいと考えています。
でもぼくの場合、まだ若くて本当にそういったことがよくわからないんで、そういった心を育てるっていうことにおいても、多くの人と接触するっていうこと、日本をもっとよく知りたい、多くの人を理解したいと考えています」

これはまさに20歳頃の若さにふさわしい、まったく飾り気も無理に背伸びをした様子もない、率直、正直なご本心の吐露だろう。

将来に「天皇」となるべき方に、最も求められるのは、他の何よりも、このような純粋さ、誠実さではあるまいか。

敬宮殿下のご成年会見が大きな感動を呼んだのも、ご発言内容やたたずまいの素晴らしさに加えて、天皇陛下ゆずりの、純真無垢な正直さ、誠実さを、多くの国民が自ずと感じ取ったからにほかならないだろう。

 
筑波大学・筑波キャンパス(写真=カンリカ/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons)

見事だった記者会見

悠仁殿下は大役を果たすべく、十分な準備をしてご会見に臨まれ、見事に期待に応えるご会見を成し遂げられた。これによって、皇室に新しく頼りになる成年皇族が加わった事実を、広く印象付けた。

これは皇室全体にとっても、とても良いことだった。

ところが、先頃のご会見によって、これまでの「愛子天皇」待望論を吹き飛ばした、といった論調が一部に現れた。だが、このような意見には、いささか誤解があるのではないか。