アルコールは「週に一度の贅沢」にすべき

酒向先生に聞いたのは「アルコール摂取はどうなのか」である。

居酒屋で乾杯する男女のビジネスパーソン
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先生は答えた。

「タバコは絶対ダメですが、アルコールは適量ならかまいません。ただ、適量というのは1日に日本酒なら半合、缶ビールなら350ミリリットルを1本、ワインならグラス一杯といったもので、それ以上は摂りすぎです。

たとえば1日に日本酒を3合以上飲むことは大量飲酒です。これはやめたほうがいい。ただ、1週間に1回、日本酒を3合飲んで、その代わり他の日はまったく飲まないのであれば、これはかまわないのではないかと私は思っています。ダイエットと同じで、あまり厳しくすると、続かないと思うんです。

大量飲酒がよくないのは体のこともありますが、感情が痛むんです。つらいことがあって憂さを晴らすために大量に飲むと、精神的に参ってしまう。やっぱりお酒を飲むときは楽しいほうがいい。ひとりで大量飲酒をしたり、憂さを晴らしたりするためのお酒はできれば辞めたほうがいいのではないでしょうか。

じゃあ、どうやってストレスを発散するのかと言われたら、好きなライブを見たり、泣ける映画を見たりして、お風呂に入ることでしょうか。もしくは有酸素運動です」

酒向先生の言うことは正論だ。つらいことから逃れるために酒を飲むのはそれはやめたほうがいい。しかし、絶対にやるなとはわたしには言えない。つらい時に酒を飲んで、酔っぱらって、涙を流して、それで救われたこともある。わたしに言えることは「どん底にいる時だけは酒を飲まない」ことだ。

運動が面倒ならストレッチでOK

「病気になったり、高齢になったりすると、体が弱ります。虚弱になるんです。筋肉量が減ってしまい、筋力が落ちると体のバランスが悪くなり、関節も硬くなります。すると、骨が弱くなってだんだん動けなくなってくる。

そうして認知症になっていく。そうならないように筋肉を鍛えることです。年をとってきたら、50歳を超えたら、いちばん最初にやることが筋肉を鍛えること。

私は中年以上の方にはストレッチでもいいと思います。短時間でできることですから。人間は、つらいのが嫌なんですよ。だから、長時間、走ったりするのが好きな人はそれほど多くはない。その点、ストレッチは短時間です。関節の可動域を広げることによって腰痛がなくなったり、肩こりがなくなったり、気持ちよくなります。また、ストレッチは少し筋力を使います。筋肉を鍛える運動でもある。ジムでハードな運動をするのでなく、ストレッチをやることに時間を使えば、いくつになっても自宅でできます」