16時間の断食は昼と夜の2食だけ
先生は「私は毎日、食べるのは昼の12時と夜の8時の2食です」と言った。
「昼の12時に病院の昼食を検食します。その後の食事は夜の8時。自宅で妻とふたりで食べます。昼は500kcalでタンパク質は20g程度のため、夜までお腹が空きます。そこは間食としてパン、チョコレート、お菓子などで300kcalほど補給しています。その他、仕事中に、ブラックコーヒーを4~5杯程度、飲んでいます」
こうした生活を続けているため、酒向先生は標準体重をキープしている。
「育ち盛りの子ども、アスリートはちゃんと朝、昼、晩の食事を摂って体を大きくしていい。でも、40代、50代で体ができあがって、しかもデスクワークが中心という人はアスリートみたいな食事を摂らなくていいんです。
成人になって、朝昼晩の3食をお腹いっぱい食べるのはカロリー過多です。お腹に脂肪がついてきたなと思った方は2食で十分でしょう。肥満の末に高血圧と糖尿病になったりしたら、それだけでも大変ですし、認知症にもなりやすい。
年をとるとたいていの人は高血圧になります。薬で血圧を下げるか、それともダイエットして高血圧にならない体質にしようとするか、どちらを選ぶか。ダイエットして体型をキープしてるので、30年前の服がまだ着られます」
なぜラーメンの大盛りは危険なのか
「高血圧の方で、毎日、薬を飲んでいる方は多いです。でも、薬を飲みながら美食とお酒を飲んで、運動もしなかったら、やっぱりよくないわけです。
また、高血圧でなくとも、糖質中心の食生活をしている人は要注意です。ラーメンとチャーハンを一緒に食べる、ラーメンを必ず大盛りにすることはやめたほうがいい。明らかにカロリー過多です」
中年で肥満体型であるにもかかわらず、夜遅くまで酒を飲んで、帰りにラーメンを食べる人は少なくない。そういう人は自ら望んで認知症への道を突き進んでいるとしか思えない。
酒向先生のアドバイスに従って、カロリーの摂りすぎを抑えることだ。
一生、ラーメンを食べるなとは言わない。少なくとも大盛りラーメンは月1回までに。スープを全部、飲み干したりしない。生活を律することが肥満化を防ぎ、ひいては認知症のリスクを減らすことにつながる。
酒向先生が行っているのがケトジェニックダイエットだ。ケトジェニックダイエットとは摂取する糖質をカットして、体のなかにある脂肪を燃焼させるダイエット手法だ。似たものに糖質制限があるけれど、ケトジェニックダイエットは糖質オフ時間以外では好きなものを食べていい。
たとえば男性の摂取カロリーの目安は約2200kcalで、女性は約1600kcalだ。一般的なケトジェニックダイエットに必要な糖質量を計算すると次のようになる。