脂肪燃焼には運動より食事制限が効く

ケトジェニックの糖質量の目安

男性:1日に55g以下。1食あたり18g
女性:1日に40g以下。1食あたり13g

一方、糖質制限の場合の糖質量の目安は、男性の場合1日に70~130gで、1食あたり20~40gだ。ケトジェニックダイエットのほうが糖質の摂取量が少ない。

ご飯茶碗一杯の白米の量は約150gだ。ケトジェニックダイエットにせよ、糖質制限にせよ、一食に食べてもいいご飯の量はおちょこ一杯分しかない。やり続けるには意志の力がいる。

酒向先生は「私のやり方は難しくありません」と言う。

「いいですか。脂肪を燃焼させるには運動するか、もしくはダイエットするかのどちらかしかないんです。たとえばジョギング。体重75キロの人が30分間、ジョギングして消費するのは276kcalです。一方、ご飯一杯(150g)を食べると234kcal増えてしまう。毎日、ジョギングを30分やっても茶碗一杯のご飯を食べたら、元に戻ってしまいます。つまり、運動するよりも、糖質を摂らないほうが楽です」

とんかつ定食
写真=iStock.com/primeimages
※写真はイメージです

8時間の間は好きなものを食べてもいい

「私自身は週に一度しかジムに行く時間がないので、ケトジェニックダイエットをしています。8時間の食事時間以外はほとんど糖質を摂ることはありません。しかし、8時間は好きなものを食べていますよ。2000kcal程度でしょうか。16時間の糖質オフの時間に血管内の脂肪をしっかり燃やしているんです」

確かに普通の会社員が毎日、30分のジョギングをするのは現実的とは言えない。

肥満にならないためにはダイエットが必要になってくる。

「16時間ダイエットでは残りの8時間の間は自由に食べていいです。あまり厳しくすると続かないので、私はチョコレートやクッキーを何度かに分けて食べています。フルーツもいいでしょう。ヨーグルト、アイスクリームもかまいません。8時間の間は好きなものを食べる。そういう考え方は大事だと思います。

私のもとに上場企業の経営者で肥満の人がやってきます。脳の検査をしてほしい、それでケトジェニックダイエット、16時間の断食を進めると、みなさん、素直に取り組んでくれます。8時間の間は好きなものを食べて、会食もして、その代わり、16時間は食べないようにします。すると、3カ月ぐらいで3、4キロは痩せます。そして、キープできています。

だから、信頼してくれます。糖質が燃えやすくなる体質に変わるまでには3カ月はかかりますから、その間、やめないようにすることが大切です」