2025年シーズンで投手として復活する予定の大谷翔平選手だが、打撃も昨シーズン同様にヘルメットを飛ばすほどのフルスイングで本塁打量産を期待する人が多い。フィーは最高で半日200万円という経営コンサルタントの加藤芳久さんは「企業も、社員やスタッフなどが大谷選手級のフルスイングを実践できる環境を作ることが重要だ」という――。

※本稿は、加藤芳久『売上を追わずに結果を出すリーダーが見つけた20の法則』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

いつでも全力投球できるようになる「フルスイング」の法則

大リーグで活躍中の大谷翔平選手は、時にヘルメットが脱げるぐらいの勢いで初球からフルスイングをします。三振もありますが、ボールに当たったときは場外ホームランになるぐらいの爆発力があります。フルスイングをしているからその勢いが生まれるのでしょう。仕事もいつでも全力で取り組んでいると、うまくいくこともあれば、大きく失敗するときもあります。それでも失敗を恐れて何もチャレンジしないでいるより、ずっと尊い行為です。

カブス戦の3回、中飛に倒れ、ヘルメットを飛ばすドジャース・大谷=2024年4月6日、シカゴ(共同)
写真提供=共同通信社
カブス戦の3回、中飛に倒れ、ヘルメットを飛ばすドジャース・大谷=2024年4月6日、シカゴ(共同)

だから大きな失敗をした人こそ、賞賛されるべきだと思います。そんな想いを込めて、私は「フルスイング大賞」をおすすめしています。年に1回、その1年でもっとも大きな失敗を選んでみんなで盛大に祝う賞です。ノーベル賞に対するイグノーベル賞のようなものかもしれません。

受賞する人は失敗しているので、なんだかちょっと複雑な表情になります。けれども、みんなが「ナイスチャレンジ!」「ナイストライ!」とお祝いムードなので、「まあ、ほめられたからいいか」と悪い気はしません。

失敗を肯定的に受け止めてもらえたら、「また頑張ろう」と思えるでしょう。次は大きなホームランを飛ばせる可能性を秘めています。

つまり、フルスイングできる職場のほうが大きな成功を引き寄せる確率が高くなるのです。これが、「フルスイング」の法則です。

長い目で見ると、失敗を厳しく追及して責任を取らせる方法はあまりいい結果を生みません。不正を働いたのならともかく、全力で取り組んで失敗したのなら、むしろねぎらうべきではないでしょうか。その失敗は会社にとって大きな財産になります。

失敗を許さない職場になると、部下は萎縮して失敗しないような仕事しかしなくなります。部下は成長しなくなり、いずれ業績も悪化していきます。

さらに、失敗を隠すようにもなるでしょう。それが不祥事につながるので、失敗を許さない職場ほど、実は危険地帯に足を踏み入れています。

仕事をしていれば、誰でも不安になることがあります。

「自分が無能だと思われたくない」
「失敗したら評価が下がるんじゃないか」
「これをやると嫌われるんじゃないか」

真面目な人ほど、こんな気持ちを隠すために「人からよく見られたい仮面」「いい人でいたい仮面」をかぶって無理をしてしまいます。

仮面をかぶっている限り、偽りの自分でしかいられません。みんながみんな仮面をかぶっている職場に、これからも毎日通おうと思えるでしょうか?

やはり企業の未来を考えるなら、果敢にチャレンジする人が評価される場であって欲しいと思います。

もちろん、失敗したときは改善すべきところをきちんと指導する必要はあります。時に叱らなくてはならない場面も出てくるでしょう。そのうえでフルスイング大賞に推薦すれば、自分を評価してくれているのだと部下もわかります。