最長不倒の起業家養成学校
前回(http://president.jp/articles/-/9082)の一新塾と同様、平成維新の会の活動から派生して、起業家を養成するためのスクールも立ち上げた。「アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)」である。きっかけは平成維新の会の事務局でボランティアをやっていた女性から言われた一言だった。
「大前さんは政治家としては(青島さんに惨敗して)ダメだったけど、我々若い世代が大前さんに一番教えてもらいたいのは事業の興し方、起業のコツです。大前さんが死ぬ前に、我々に全部教えておいて下さい」
ABSの開校は1996年。もともとは独立した事業体だったが、一新塾とは違って株式会社との相性は悪くない。そこで1998年にBBTを設立して大前グループの再統合をしたときにBBTの一事業部に位置づけた。
創業18年は日本の起業家養成学校として最長不倒であり、ノウハウの蓄積は他の追随を許さないと自負している。修了生は5800名を数え、彼らが興した会社の数は700社に及ぶ。ケンコーコム、アイスタイル、mixiなどの上場企業も出てきているし、後に続く有望株も控えている。
ABSの受講生は20~30代のビジネスマンや企業経営者が中心。20代前半の学生もいるし、時折、60代、70代のリタイア組も見かける。
彼らが学ぶのは教科書的な起業のノウハウではない。ABSのカリキュラムはアントレプレナーシップ講座、戦略思考講座、メガヒット企画発想講座、ビジネスモデル創造講座、ビジネス・コミュニケーション講座、財務会計講座の6つが基本だ。いずれも事業のプランニング力とマネジメント力、業務執行力を高める実践的なビジネススキルであり、論理性と創造性の両面からこれを体得してもらう。
講師は各方面のプロフェッショナルにお願いしている。私自身も直接教えていて、一つの期の初めか、終わり、どちらかで集中講義をするのだ。
たった一回の講義でも3時間ぶっ通しでプラス質疑応答があるし、講義で使われるBBTのビデオリブラリーでも、嫌になるくらい私の顔を拝んでもらうことになる。