仕事を任せられる人はどのように見極めるべきか。ビジネス数学教育家の深沢真太郎さんは「何気ない瞬間に、数字を交えた簡単なクイズを出してみて、桁を間違えず概ね実態を捉えた答えをする人物なら、普段から数字で考える習慣があるとわかる」という――。
座っているビジネスマンたち
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なぜ、あなたは部下を信じることができないのか

ある中小企業の経営者が私にこうおっしゃいました。

「部下の出してくる根拠がどうしても信用できなくて、けっきょく自分で数字をチェックしちゃうんですよね」

これは多くの経営者や管理職の本音ではないでしょうか。私自身も「わかるなぁ」と感じます。

そもそも、ビジネスにおいて根拠とは数字で表現されるものがほとんどです。もしあなたが重要な意思決定をしなければならないとしたら、そこには当然ながらファクトベースの根拠を求めるはずです。

そして意思決定の難易度や重要度が上がるほど、あなたは合理性を求めることになります。

ではなぜ多くの上司は部下が示す根拠を信用できないのでしょうか。実は部下の出してくる根拠(=数字)がどうしても信用できないという事実は、その数字そのものが信用できないのではありません。部下の数字に対するリテラシーや定量分析やロジック作りといったスキルを信用していないのです。

一方で信用できる部下がいること、あるいはそのような部下を開発することはマネジメントの観点でとても重要ではないでしょうか。

そこで本稿では「根拠の数字」を信用していい部下とそうでない部下の違いを言語化し、あなたの意思決定やマネジメント業務のヒントにしていただきたいと思っています。