数字に強い人はなぜ強いのか。ビジネス数学教育家の深沢真太郎さんは「数字センスのある人は、ちょっとしたコツを使って不快を排除し、気分よく数字と付き合っている。例えば500,000,000を『いち・じゅう・ひゃく・せん・まん……』と数えることはない」という――。
※本稿は、深沢真太郎『読むだけで数字センスがみるみるよくなる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
数字センスとは「数字をコトバとして扱う感覚」
まずは本書を通じてあなたが手にするもの、すなわち「数字センス」とは何かを定義しましょう。
数字センスとは、「数字をコトバとして扱う感覚」のことです。
この定義には、2つの重要な表現が含まれています。「コトバ」と「感覚」です。それぞれ誤解のないよう、丁寧に説明していきます。
その1 「コトバ」であること
コトバ(言葉)とはいわゆる言語のこと。つまり、数字とは言語なのです。
なぜこの定義が重要かというと、私たちが日常においてどんなときに言語を使うかを理解することに直結するからです。
私たちはどんなときに言語を使うか。実は2種類に分けることができます。ひとつはコミュニケーションしているとき。もうひとつは、考えているときです。
たとえば、昨日していたことを思い返してみてください。
どなたかとお話をしませんでしたか? そのとき、あなたは相手が発するコトバを聞き、コトバを返したはずです。たとえ短くても、コトバがなければ、コミュニケーションは成立しません。
考えるときも同じです。あなたは何かを考えるとき、「なぜ?」「ということは……」「そもそも……」といったコトバを使って答えを導いているのではないでしょうか。これらのコトバを使わなければ、あなたは考えることができません。
コトバとは、コミュニケーションと思考に必要なもの。そして、数字もコトバである。もしこれらをご理解いただけるならば、あなたは必然的に次の結論を得ることになります。
数字とは、コミュニケーションと思考の際に使う言語。
数字でコミュニケーションすること。数字で考えること。おそらくあなたが本書を通じて得たいものは、そういうスキルではないでしょうか。