「もう他の方とお見合いするつもりもないみたいですし…」

「昨日、そちらの会員様にお誕生日をお祝いいただいたそうなんです。とても喜んでいて、素敵な方と交際させていただいて、ありがたいと思っています。こちらは、もう他の方とお見合いをするつもりもないですし、前向きにお考えくださいませんか?」

あまりにも速い展開に、こちらは面食らってしまった。まだ、交際は始まったばかり。しかも、こちらにはほかに二人の女性とも、順調に交際中でもある。

とはいえ、その申し出はありがたいことこの上ない話。結婚相談所で成婚するには、『女性が男性を気に入っていること』が大前提なのである。男性は、比較的惚れっぽいから、仮交際に入ればすぐに相手の女性を好きになる。それに対して、これから家庭を持ち、その相手との子どもを産むかもしれない女性は、相手を簡単には好きにならない。そして、女性が気に入らなければ、まず成婚には行きつかない。

先方カウンセラーからのありがたい申し出に、心から感謝し、これからのお付き合いを一緒に見守っていきましょうと合意、引き続き交際は続いた。

その時点での彼は、3人のうちどの女性が良いかなど、まだ考えられなかった。当然、3人とも、彼のお嫁さん候補ではあったものの、誰か一人に絞る時期ではないと思っていたからである。

それから二週間後、彼と再ミーティングをしたところ、「看護師の女性が結婚相手として一番イメージできる」と。彼の表情と話し方から、結婚に対する強い決意が伝わってきた

予想を裏切り、わずか3カ月で成婚した

その後、真面目な司法書士の男性は、看護師と結婚前提の交際となり、すぐにお互いの両親に紹介。あっという間に、両家の顔合わせを済ませ、プロポーズした。

彼のプロポーズは、銀座のおしゃれなフレンチレストラン。デザートプレートには、『Will you marry me』のメッセージとともに、抱えきれないほどの赤いバラの花束を用意。

大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)
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結婚に備えて、普段から倹約し、着々と預貯金を蓄えてきた彼は、婚活にはお金を惜しむことなく気持ちよく使う。デートも、相手のご家族への手土産の気遣いも、エンゲージリングにも、そして、もちろんこれからの結婚式や披露宴にも。

彼は、あの初回面談で出会ったときとは、別人のように清潔感あふれる青年に変身し、素晴らしい女性とのご縁を手に入れた。あのとき、彼の婚活は険しい道になるであろうという予測を、見事に裏切って、彼は、入会後、わずか3カ月で成婚退会することになった。

現在は、二人で共働きしながら、新居の購入の下見に週末ごとに出かけている。

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