マイホームのために2000万円をコツコツ貯金

彼は、婚活のために、スーツも新調していた。面談で着てきた野暮ったいオジサンスーツではなく、身体のシルエットが強調される、おしゃれでカッコいいスーツだ。スタジオで撮れた写真は、完璧なる好男子。しかも司法書士という、難関資格を取得しており、収入も安定している。完璧なビフォーアフターで、彼は生まれ変わったのだ。

さらに驚かされたのは、彼は、年収は平均値なのに、この年齢で、預貯金が2000万円もある。どうやって貯めたのか? と聞くと、仕事と自宅の往復でお金を使わなかったら、自然と気が付いたら貯まっていた、とのこと。

結婚は、一生を左右する大きなこと。

人生において、受験、就活、婚活という節目の出来事があるが、中でも大きくその人の人生を左右するのは、婚活かもしれない。

なぜなら、会社は転職という道もあるが、結婚したら、離婚はすぐにできるものではない。結婚したら、両家の家族や、場合によっては子供も授かる。しがらみも生まれる。誰でも良ければ、結婚は簡単にできるかもしれないが、簡単に結婚したとしても、離婚するのは、簡単ではないのだ。

彼は、この人生の一大イベント「婚活」のために、お金を貯え、その日を待っていたのである。婚活に使うお金はもちろん、結婚後は将来の家族のためにマイホームを購入予定で、コツコツとお金を貯めてきたのだ。

11人とお見合いして“運命の人”と出会う

婚活用スーツに始まり、デート用のおしゃれ男子ファッションも新たに購入。学生時代の友人に付き合ってもらい、女子ウケする洋服を数着用意、もちろんバッグや靴も買い揃えた。

ありとあらゆる、婚活本を読み漁り、ネットに上がっている婚活動画もくまなくチェック。お見合い前の私からのアドバイスには、真摯に耳を傾ける。お見合いで話すべきこと、聞いてはいけないことも、よく理解し、誠実にお相手女性に向き合う。

彼がお見合いした女性は、11人。うち、お断りを受けたお相手は、2人。こちらからお断りさせていただいた女性は4人。5人の女性と仮交際になり、一回目のデートで合わないと判断し、2人とは交際終了に。残る3人の女性とデートを重ねることとなる。

デートも、女性を楽しませることに配慮し、素敵な場所に女性をエスコート。デート費用は、当然彼持ち。女性にお金を出させることは、一切しない。デートコースには、時間があれば事前に行ってみるなど、真面目な彼は、女性を大事にする気持ちにあふれた紳士である。

手をつないで夕日に向かって歩くカップル
写真=iStock.com/kieferpix
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一人は、偶然同じ大学を卒業した金融機関に勤務する女性。美しく、聡明な女性で、同窓生ということもあり、話も合った。もう一人は、5歳年下のかわいらしい美大卒業のデザイナー。性格も良く、あちこちにデートを重ねた。

そして、もう一人は一歳年上の看護師の女性。この彼女が、彼の運命の女性である。彼女は、3人の中で、交際のスタート開始時期は一番出遅れたが、二回目のデートを終えた段階で、彼女のカウンセラーから、私に連絡をいただいた。