高齢者は薬とどう付き合えばいいか。医師の和田秀樹さんは「薬は、少なくとも長期的に見れば効果がはっきりしないものが大半で、人によって合う、合わないの差が大きい。『ラクになるなら飲む、ラクにならないのなら飲まない』というスタンスをもつといい」という――。
※本稿は、和田秀樹『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』(PHP文庫)の一部を再編集したものです。
薬を飲んで頭がフラフラなら服用をやめる
血圧や血糖値が高い人が、それを下げる薬を服用することによって、頭がフラフラすることがあります。
40代や50代の人が動脈硬化を予防するためにそれらの薬を飲むのはわかりますが、すでに動脈硬化の進行が起きていると思われる年代であれば、頭がフラフラするくらいなら服用をやめるか、量を減らすという発想をもったほうがいいと思います。
そもそも日本では、それを飲めば長生きできるとわかっている薬などほとんど存在しません。たいていの薬は、それを飲むと血圧が下がる、血糖値が下がるなど、即時的な数値の変化はあります。
でも、飲みつづけることで10年後には心筋梗塞になる確率が下がるといった、長期間服用することによる効果があるのかまではわかっていません。それを検証する大規模調査は海外にはあっても日本人対象にはほとんど行われていないからです。
血圧などの薬を飲んでいても、年齢とともに動脈硬化は着実に進んでいくので、心筋梗塞になることはあります。
それなら心臓ドック(虚血性心疾患など心臓病のリスクを調べる検査コースの総称)を受けて、心臓をとりまく冠動脈に動脈硬化で狭くなっている部分がないかを調べ、見つかったら血管を広げる処置をするほうが心筋梗塞の予防には有効でしょう。

