究極の店選びは「常連」になってもらうこと

店選びの究極の目標は、連れていった相手に、そのお店の「常連」になってもらうことです。私も何度か経験がありますが、飲み会をセッティングした立場として、これほどうれしいことはありません。

先日もクライアントを、ある寿司屋さんに連れていったのですが、こんな連絡をいただきました。

「戸賀さん、この間連れていってくれたお寿司屋さんに、今度私のお客さんと一緒に行くことにしたんです」

クライアントが自分のお客様を連れていくということは、そのお店を気に入ってくれた証拠。ひいては私自身のことも気に入ってくれたと考えてもよいでしょう。

イヤな人に連れていかれたお店をひいきにしようとは思いませんから。そういう意味では、私が前回、企画した飲み会が成功だったという証でもあります。

相手が「行きつけにしたくなるか」は、お店選びの成功のバロメーターなのです。

飲み会で自分がどのように振る舞い、何を伝えるか

「高級店に連れていけば、すべてうまくいく」という考えは間違いです。たしかに、1人2万~3万円もするような高級店であれば、料理もサービスも一流でしょう。しかし、飲み会の目的を考えれば、単価が高ければ正解とは限りません。

自分のプレゼンスを上げると同時に、相手との距離感をつめて、結果につなげる。これが飲み会のおもな目的です。

高級店を予約したことで満足し、あぐらをかいているようでは、これらの目的を達成することはできません。「飲み会で自分がどのように振る舞い、何を伝えるか」が重要なのです。

また、高級店を選ぶと相手に余計なプレッシャーをかけることにもなります。「大変なお願いごとをされたら困るなあ」と身構えさせてしまっては、かえって不利な状況に陥ります。

寿司屋のカウンター
写真=iStock.com/VivianG
※写真はイメージです

飲み会のお店は高級店でなくてもかまいません。

関係が深くていつもお世話になっている相手であれば、10回に1回くらいは感謝の気持ちを込めて高級店でもてなすという心遣いは大切です。しかし、普段の飲み会で使うお店は、まったく背伸びをする必要はありません。

実際、私が普段使っているお店は、1人あたり4000~8000円の価格帯が中心。1万円を超えるようなお店はめったに使いません。

そもそも会社の経費を使っているのですから、費用対効果を意識した飲み方が求められるのは当然です(ちなみに、私が勤めていた会社は外資系なので、経費の使い方は厳しく問われました)。