戦略的に飲み会の場を使うには、何を意識すればいいか。編集者の戸賀敬城さんは「仕事で結果を出す人は、飲み会を『舞台』と捉え、言うべきセリフまで用意してから本番に臨む。私の場合、同席者に“演技指導”をすることさえある」という――。
※本稿は、戸賀敬城『ビジネス会食の技術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「今度うちの社長を呼ぶから会食しましょう」の意味
私は、飲み会を「舞台」ととらえています。メンバー一人ひとりが与えられた役割をこなし、仕事の「結果」というフィナーレに向かって全力を尽くすのが、本来の飲み会のあるべき姿です。
だからこそ、キャスティングであるメンバー構成や、エンディングに向けたシナリオも重要になります。飲み会を開催するからには、舞台を演出するつもりで臨まなければなりません。
いつも広告を出してくれているブランド企業の担当者も、優秀な「演出家」のひとり。ある日、彼女(担当者)から「戸賀さん、今度うちの社長を呼んでくるから会食をしましょう。よろしく頼みますね」という打診を受けました。
社長がわざわざ同席するということは、「社長が喜ぶような派手な企画を提案して」というメッセージであり、おのずと飲み会での私の役割が与えられたことになります。
当然その企画が実現すれば、彼女の手柄にもなります。飲み会を「結果につなげる舞台」と考えると、彼女のような「演出」ができるようになるのです。