「脇役」が活躍する舞台ほど傑作になる

役が魅力的な舞台やドラマほど面白いのと同じで、飲み会も「脇役」が活躍することで結果が変わってきます。

主役であるキーパーソンが決めのセリフや締めの言葉をきちんと言うべきなのはもちろんですが、主役ばかり話し、おいしいところをもっていく飲み会ではダメです。

前項の例でいえば、編集長である私がこちら側の主役で、営業担当が脇役と言えますが、「編集長を口説いて3ページにさせます」と言った営業担当が、おいしいところをもっていっています。

飲み会はチームワークが大事。それぞれが役割を分担し、最終的に結果を出すのが目的です。そのためには、ときに脇役が「主役」になってもいいのです。主役である上司ばかりが目立ってしまう飲み会を見かけますが、部下にあいづちを打たせておくだけではもったいない。

結果を出す人は、「部下が評価されるのは、上司が評価されているのと同じ」だと理解し、脇役を引き立てる飲み会をしているのです。

仕事の飲み会でお酌をする人
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成果につながる台本をつくる3つのポイント

相手を落とす「台本」を書くには、事前に登場人物である相手の背景を徹底的に調べる必要があります。

先の例で言えば、こちらがせっかく台本通りに演じても、クライアントにそもそも雑誌広告に出す予算がなければ意味がないからです。

また、クライアントの予算が100万円しかないのか、1000万円あるのかでも、台本の効果は違ってきます。

なけなしの100万円を出してくれるのであれば、台本の効果は期待できますが、1000万円のうちの100万円ということであれば、別れたあとのタクシーの中で、クライアントに「たった100万円で2ページ分が3ページ分に増えてラッキーだったな」と思われるのがオチ。

その場合は、もっと多くの予算を引き出すような台本を書くべきだった、ということになります。

こうした事態を避けるためにも、私たちはクライアントとの間に入る広告代理店の営業担当に、あらかじめ次のようなことを徹底的にヒアリングしておきます。

「予算はどのくらいか?」
「キーパーソンは誰か?」
「相手の本気度はどのくらいか?」

このように相手のバックグラウンドを把握しておくことで初めて、成果につながる台本をつくることができるのです。