初めての防災対策はゆるくていい
自宅用の防災品で欠かせないのが水だ。辻さんによると、10日間で1人当たり30リットルを目安とし、多めに40リットルの保管を勧める。この水は日常生活でも消費するが、使ったら必ず補充するのが鉄則という。
食料は2週間分を目安に準備し、食材、カトラリー、カセットコンロ、カセットボンベ一式をセットで用意すると、すぐに取り出して使えて便利だ。
トイレ対策として第2回で紹介した簡易トイレに使うペットシーツ、ゴミ袋、新聞紙は大量にストックしておくことをおすすめする。
辻さんは停電した時に備えて、単3電池と単1電池、ソーラーライトやランタンのほかモバイルバッテリーや電池式ラジオも準備している。
全国各地で防災の講演活動もしている辻さんによると、地震大国・日本であっても備えをしている人は1割程度しかいないという。
「私の話を聞いた人はみなさん、スイッチが入って、“絶対やります”って言うんですよね。滑り止めシートとか買ったりするようですけど、買った時のまま丸まった状態になっていたりする(笑)。一度にやると、しんどくなるから防災対策は雑でいいんですよ。ゆるいやる気で一つずつやっていきましょう」
(文・構成=ライター・中沢弘子)