経営とファイナンスは表裏一体である。しかし、ファイナンスという領域は経理部門の人を除き、社長になるまでその重要性を認識していない人が多い。これは大きな問題である。
事業に必要なお金は、銀行や投資家に頼めばすぐ振り込まれるというわけではない。きちんと戦略や事業計画を立て、将来生み出されるキャッシュフローや借入金返済の確実性、自社の企業価値を説明できなければ資金調達は困難である。営業力や技術力だけではなく、財務面から見て「この会社に資金を提供してみたい」と銀行や投資家に思わせる努力を経営者はしなければならないのだ。
また、企業活動を行った結果は必ず会計に反映される。その数字を見て銀行や株式市場が反応し、次の資金調達をできるかどうかが決まってくる。このメカニズムを理解しておかなければ、資金調達が必要な事業などできない。
将来経営者を目指す人にはぜひファイナンスを学んでほしい。それにはここに挙げた本を読むだけでなく、興味のある上場企業の開示資料を実際に見ていくことをお勧めする。
いまではインターネットを通じて上場企業の開示資料が無料で簡単に入手できるようになっている。実物を見ることでわかることも多いし、企業の実体をかなり細かく知ることができる。私のメルマガでも、実例をもとに解説をしているのでぜひ読んでみてほしい。