前回(http://president.jp/articles/-/8501)、企業が保有する「投資有価証券」は所有目的などによっていくつかの種類に分類され、会計上の扱いが異なると述べた。取引関係の安定化を目的に保有している“持ち合い株”などは「その他有価証券」に分類されて、期末に時価評価する必要がある。ここまでは前回解説したが、この会計処理には続きがあるのだ。

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その他有価証券の洗い替えの仕訳の例

時価で評価したといっても、売買目的がなければすぐに売って損益を確定するとは考えにくい。そこで決算の際に行われるのが、「洗い替え法」という会計処理である。まず取得原価と時価との差額から税効果を反映した繰延税金負債を除いた額が、貸借対照表の純資産の「その他包括利益累計額」のなかの「その他有価証券評価差額金」に計上される。

(構成=高橋晴美 図版作成=ライヴ・アート)
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