各国が共通のルールで会計処理を行って財務状況を比較しやすくする国際会計基準(IFRS)。日本では早ければ2015年3月期の導入が予定されていたが、ここにきて雲行きが怪しくなっている。

会計ルールを所管する金融庁は12年をメドに強制適用の是非を見極める方針だったのだが、先ごろ自見庄三郎金融相(当時)が「仮に適用する場合でも、5~7年程度の準備期間をおきたい」と表明したからだ。また、先送りを支持する大手企業も相次ぎ、資生堂やニコンなどはIFRS導入の準備作業のスケジュール見直しに入った。

(高橋晴美=構成 ライヴ・アート=図版作成)