会社の仕事だけに終始し、たまの飲み会も同僚と行く。こんな生活を続けていると価値観や考え方が同質化し、激変する社会の動きから取り残されてしまう――。この危機感が、業界も年齢も違う人と肩書抜きで付き合うことのできる勉強会へと足を向けさせているのだ。

「ほとんどの勉強会は、社名や役職などの肩書に関係なく、参加者個人が好きなテーマで集まっています。フラットに付き合えるところが若い世代に受けているのでしょう」(大田さん)

会社の枠組みを超えた勉強会の強力な「インフラ」となっているのが、近年爆発的に普及しているフェイスブックなどのSNS。「クラウド」や「物流」など興味のあるキーワードで検索すれば複数の勉強会が簡単に見つかる。メンバー間の交流や出欠管理にも便利なツールだ。

大田さんによれば、東日本大震災以降は「みんなの力を集める」「つながる」「社会に役立つ」といったキーワードを掲げた連帯意識の強い勉強会が増えているという。

そもそも勉強会とは、1人きりではなく他者と一緒に学び合い高め合うもの。社内キャリアへの不安、SNSの普及、大震災の発生といった要素が重なり合い、いま「社外つながり」を求めた勉強会が激増しているのだ。

超・愛妻家 大田正文
平日は大手IT企業に勤める営業マン。早朝や休日は延べ会員数2000人を超える合計5つの勉強会を主催する。Facebook「愛妻家大田正文」で検索、Twitter:aisaikamasa、Google:「愛妻家」で検索。

プロノバ社長 岡島悦子
ヘッドハンター。ハーバードMBA。三菱商事、マッキンゼーなどを経て2007年プロノバ設立。年間約100人の経営のプロ人材の紹介実績をもつ。著書に『抜擢される人の人脈力』など。
(小林雄一=撮影 PIXTA=写真)
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