今のトレンドは「カスタム型」

がん保険は今、選択肢が非常に豊富で、さまざまな商品がラインナップされています。現代の保険のトレンドはずばり、「カスタム型」。がん保険の場合、ホルモン治療特約や、外見の変化に備えたウィッグ購入への給付など、きめ細かなニーズに対応しています。私のお客さまでも、保険適用の標準治療の場合は高額療養費制度と貯金で対応し、自由診療についてだけがん保険に入ることで、保険料を2000~3000円に抑えているという方や、仕事を続けられる環境を確保するため、通院保障だけは手厚くした、という方もいます。

一昔前に比べ、がんになりやすい中年期以降の保険料が割安に設定されている商品も多いので、希望する治療やライフスタイルに合わせてピンポイントで保険に入ることで、負担が軽くすむ可能性が高いでしょう。

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写真=iStock.com/bymuratdeniz
※写真はイメージです

「保険はお金のムダ」は人の価値観によって違う

先ほど、がん患者などに対する妊孕性温存の助成金についてお伝えしましたが、これまで全額自費負担だった乳房再建費用も、現在は保険適用になりました。徐々に、自己負担が少なくなる方向に進んでいることは確かです。

そういった事情を鑑みても、社会保障制度の最新情報をつかみ、自らのライフスタイル・経済状況に照らし合わせて最適な保障内容をカスタムすることが、がん保険や医療保険の「アリ」な選択ではないでしょうか。どんな治療が必要になるかイメージがつかない方は、使途が自由な一時金を手厚くしておく、というシンプルなプランを選ぶのも◯だと思います。

日本では公的保証も充実しているし、貯蓄があるなら「保険はお金のムダ」という見解が多いですが、実際に相談にのっていると、保険に入ることで不安が軽減する”お守り”的役目を果たしていたり、病気になった方たちからは、保険に入っていて本当によかったという声は少なくありません。

もちろん、保険に対する考え方は人それぞれですが、病気になると体のみならず、精神的にも弱くなりがち。自分にとって保険が必要だと思えば、加入を検討しましょう。今は少ない負担でも良質な保障が受けられる商品がたくさんラインナップされています。誰がいつなるかわからない病気に賢く備えるためにも、これを機に、“自分にとっての保険とは”について考えてみましょう。

(構成=小泉なつみ)
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