街中で老若男女誰もが持ち歩いているのを見かけるスマホ。フィーチャーフォンと呼ばれる従来の携帯電話は「ガラケー(ガラパゴス携帯)」と皮肉めいた呼称を付けられ、すっかり前時代的扱いだ。10代女子の間では「まだガラ女子(まだガラケーの女の子)」という言葉まで生まれているという。
「フィーチャーフォンは完全に廃れてしまったという感覚がありますが、スマホの契約数は37.7%と3分の1強で、依然フィーチャーフォンのシェアは根強く残っています」とMM総研の通信アナリストである篠崎忠征氏は話す。
料金の高さや、とっつきにくさでスマホを敬遠している人も多い。また携帯電話を長時間使う記者や営業マンには充電がすぐ切れてしまわないようフィーチャーフォンに戻す例も頻発する。
「高齢者向けの簡単携帯や、防犯ブザーのついた子供向け携帯など、ニーズに特化したフィーチャーフォンはまだまだ人気です。ソフトバンクではiPhoneの次に売れていて、新規加入契約も確実にとっています」(篠崎氏)
しかし、2012年度通期の携帯電話出荷台数約4200万台に対して、スマホは3000万台強と7割を占める圧倒的な数字だ。
「今新しく携帯を購入している人の7割はスマホです。13年度末にはスマホとフィーチャーフォンの利用者数は半々になる見込みです。ですが、今後もフィーチャーフォンの利用者は3割ほど一定して残ると見ています」(同)
電話機本来の機能へのニーズは根強く残りそうだ。
(ライヴ・アート=図版作成)