保有しているだけで管理職クラスの年収に
11万円。会社員だった私が、26年前に株式投資を始めたときの元手です。投資元本としてはとても少ない金額といえるでしょう。
それが今や、配当金だけで年間900万円超を受け取れるまでになりました。仕事で得る収入とは別に、ただ株式を保有しているだけで、上場企業の管理職クラスの年収を得ているわけです。これは家計にとって大きいのはもちろんですが、万が一私が健康を損なうなどして働けなくなったとしても、家族が食べていくのに困ることはないということ。精神的にも、とても安心感があります。
株式を売却すると配当を得る権利も失われるので、高利回りの配当金を出してくれる企業の株は安易に手放したくありません。結果的に長期保有が前提になり、日々の細かな値動きに心を振り回されることが少なくなります。市場全体の値動きにつられて値下がりするような局面でも「高配当を得る権利が安く手に入るチャンスだぞ」と前向きに捉えられるようになりました。
そんな私も、若い頃は値上がり益を狙った投資スタイルをとっていました。成長力があり話題性に富んだ、値動きの大きな小型株を売買して、短期間で資産を増やした時期もあります。
ところが2020年頃から、投資環境は大きく様変わりしました。コロナ禍や東京証券取引所の市場再編(22年、上場維持基準が見直されるなどした)を経て、小型成長株で大きな利益を狙うのは難しいと感じる場面が増えたのです。
短期売買はニュースや市場動向を追いかけ、売買の判断を素早く決断する必要があるので、気力や体力も消費します。自分自身が年を重ねたせいもあるかもしれませんが、値動きの激しい銘柄を狙って利ざやを稼ぐよりも、堅実なビジネスで安定的に配当金を出す銘柄を長期保有するほうがいいと判断し、投資スタイルを変えました。
株価に対して配当金の割合が高い銘柄を「高配当株」と言います。厳密な基準があるわけではありませんが、一般的には「利回り3%以上」とされています。金利が上昇傾向にあるとはいえ、銀行のスーパー定期預金(300万円以上・期間1年)の金利が0・4%程度なので、比較にならない水準です。
もちろん、株式ですから値動きがあり、高値で掴まされると当然ながら元本割れのリスクがあります。またビジネスが思惑通りにいかなければ、減配(配当が減額)されたり、無配(配当が支払われないこと)に転じたりする可能性もあります。
逆に、ビジネスがうまくいけば増配(配当が増額)され、株式の価値自体も値上がりするので、高配当株投資では企業の「稼ぐ力」を見極めることが欠かせません。
ただ、その見極めは、皆さんが想像するほど難しくはありません。まず確認したいのは、財務に無理がないか、事業に安定性があるか、配当を出し続けられる土台があるかという点です。この投資法は、儲かる株を探すよりも、欲や焦りから「買うべきではない銘柄」を確実に避けることに注意を向けるほうが、うまくいくのです。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
- 広告最小化で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント


