インフレ転換、世界マネーの分散、失われた30年からの脱却。日本株がいよいよ本格的な上昇局面に入りつつある今、次の一手を仕込むならこの銘柄だ!
日経平均6万8000円も視野に入ってくる

中東情勢の緊迫化やエネルギー市場の混乱が、投資家心理を大きく揺さぶっている。先行きへの根強い不透明感が漂うなかでも、マーケットを読み続けるプロたちは、この局面を悲観的には見ていない。

楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之氏は、日本株の割安感を強調する。

「東証の株価はPER18〜20倍で推移しています。1989年のバブル期にはPERが70倍まで上昇しましたが、それと比べれば過熱感はまったくない水準です。デフレが終わりインフレへ転換したことで、製造業を中心に最高益を更新する企業が増えており、株価上昇の余地は大きいと判断しています」

含み益を加味した実質PBRで見ると、解散価値とされる1倍を割れている企業が東証全体の半数近くに上る。自社株買いなどを通じた株主還元の拡大が続けば、株価を押し上げる原動力になる。急落・急騰を繰り返しながらも、大局では上昇トレンドが続くというのが窪田氏の見立てだ。

一方、「相場の福の神」として知られる証券アナリストの藤本誠之氏は日本株の立ち位置について、期待と危機感が入り交じった見方を示す。

東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体関連、そしてゲームやアニメといったIPコンテンツ分野は、今後も競争力を維持できるという。しかし、それ以外の分野については危機感を隠さない。

「日本にはそれなりの技術力がまだ残っていますが、放置していればそのうちなくなると思われます。今が最後のチャンスだと思っています」

資金の流れという点でも、追い風が吹き始めている。これまでMAG7(米国大型テック株)に集中していたグローバルマネーが、米国一極集中から分散へと向かいつつあるからだ。実際、直近では「TOPIX」が「S&P500」を短期的に上回る場面も生まれている。

「デフレからインフレへの転換が起きた今、高値を警戒しすぎる必要はありません。現在、日経平均株価のEPSは約2800円ですが、来期10%増益なら3100円程度。PER20〜22倍で計算すれば、6万2000〜6万8000円台も視野に入ります」(藤本氏)

日本株はグローバル景気敏感株であり、外部ショックによって20〜30%急落することも珍しくない。窪田氏はそうした急落を絶好の仕込み場と捉える一方、藤本氏は上昇トレンドに乗ることを重視する。だが、デフレという長年の重荷を脱した日本市場の再評価が始まったばかりという点では、2人の見方は一致している。

(文=本誌編集部)