ゲーミフィケーションとは、プレーヤーを楽しませ、没頭させるためにゲームで使われている要素をゲーム以外の領域に活用することを指す。具体的には、ミッションをクリアしたり、経験値やレベルが上がったり、または対戦など他人と交流したりするようなことをサービスなどに取り上げることだ。注目され出したのは、2010年末ごろからで、その翌年1月にはシリコンバレーで専門のカンファレンスが開催されている。
一例として、日本マクドナルドの「トクするケータイサイト」でのキャンペーンを挙げよう。同サイトのサービスに、期間中に新商品を食べるとスタンプが貯まり、すべて揃うと無料または割引のクーポンが貰えるというキャンペーンがある。「スタンプを貯める」というミッションがあり、「クーポンを獲得する」という報酬があるわけだ。こうしたゲーム的要素が新規客の獲得と継続利用を促すわけである。
ただし、ゲーミフィケーションとゲームを同一視するのは誤りだ。ゆめみ代表取締役社長・深田浩嗣氏は、「サービスを提供する企業側が目的としていることと、訪れるユーザー側が目的としていることはほとんどの場合一致しない」(本人ブログより)と指摘する。
ゲームは基本的に「面白いものを作る」ことを目的としている。しかし、ゲーミフィケーションを取り入れた企業の目的は売上高を伸ばすなどビジネス面での成功である。そのため、ゲーム同様「楽しみたい」というユーザーを満足させながら、自分たちの目的も達成するには知恵が必要だ。