イオンとセブン&アイHDの流通2強も、利益率を改善。海外展開の加速やプライベートブランド商品(PB)の展開などもあって増益を実現。同時に、従業員の平均給与も上昇傾向だ。両社とも人数が限られている持ち株会社従業員の数値だけに、より実態に近い数値と見ていい。イオンとセブン&アイの従業員数は400人強で、平均年齢は45歳前後。大企業・大卒総合職トップクラスの目安となる「40歳=1000万円」の社員もいるだろう。

いずれにしても、流通産業はマンパワーが不可欠なだけに、人件費負担が重いのも事実。イオンはグループで抱える従業員とパート26.6万人に対して、人件費総額はおよそ7000億円。セブン&アイは傘下のセブン-イレブン・ジャパンの人件費が507億円、イトーヨーカ堂1424億円、そごう・西武498億円である。

専門量販店や外食チェーンでは、ワタミが「給与手当」の増額にともない平均給与もアップ。王将フードサービスは「給料手当及び賞与」総額が4億円近く増えたものの、従業員も60人増加したことで平均給与が減額になったようだ。ファーストリテイリングと吉野家HDの減額、ゼンショーHDの増額が目立つが、社歴が浅い従業員が加わったことや、組織体制の変更が要因だ。

※すべて雑誌掲載当時

(ライヴ・アート=図版作成)
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