周囲の人たちは「仕事に対する姿勢」を見ている
そもそも仕事は「手段」、会社は「取引相手」です。
現実問題として無意味な仕事を振られる可能性もゼロではない以上は、「給料がもらえるんだからいいや」と割り切る心構えをしておくことも、仕事人生を前向きに進めていく上では役立つでしょう。
特に入社1〜2年の間は、与えられた仕事にはすべて一生懸命取り組み、最初から最後まで責任を持ってやり切る。そういう姿を見せることが大切です。なぜかというと、そんな姿を上司のみならず、周りの人たちが見ているからです。
前にも述べたことですが、誰も入社したての新人に成果など期待していません。
では何を見ているのかというと、「仕事に対する姿勢」です。一生懸命に取り組めるというのは、仕事において最も重要な資質です。
どんな仕事も文句を言わず、嫌な顔もせず、とにかく一生懸命やる人かどうか。そこを見極められているのです。
そういう意味では、つまらない仕事に熱心に取り組むのも、自分の社内マーケティングの内と考えるといいでしょう。「あいつは、いつも一生懸命だ」と評価されている人には、必ず、やりがいのある大きな仕事が回ってくる。そういうものです。
入社1年目の「しくじり経験」
誰も新人に成果など期待していないといっても、「いかに仕事をするか」で評価が分かれることは間違いありません。
実のところ、仕事を覚える前の段階でも「できる人材になりそうか、どうか」は、仕事の取り組み方から、ある程度は窺い知れるものなのです。
社内の誰かへの連絡の仕方1つを取っても、それをどのようにするかで評価は分かれます。この点については先に私の失敗談を知ってもらったほうが、話が早いでしょう。
入社1年目のある日のことです。当時、私は海外渉外を担当する「外国部」という部署に所属していました。主な業務は、海外アーティストの日本でのプロモーションを手伝うことでした。
具体的には、取材のセッティングや、ラジオや音楽番組の出演のアレンジメントなどですが、それらを実現するには、アーティストが所属しているレコード会社にあらかじめ話を通しておく必要があります。
アーティストのマーケティングを担当している洋楽部のディレクターから「あの雑誌の取材を受けてほしい」「この番組に出演してほしい」という要望を受けたら、外国部から本国のレコード会社に連絡を取り、許可を得るというのが大まかな仕事の流れでした。