玄米、きのこ、キウイ、大豆などがベスト

【発酵性食物繊維(水溶性食物繊維)】
β-グルカン 穀類(オーツ麦、玄米、大麦、全粒小麦)、菌類(きのこ、黒酵母菌、パン酵母菌)、いも類(こんにゃく)
ペクチン 果物類(キウイ、みかん、プルーン、いちご、レモン)、野菜類(モロヘイヤ)
難消化性オリゴ糖 豆類(大豆、あずき、ひよこ豆)
イヌリン 根菜類(ごぼう、やまいも)
アルギン酸 海藻類

【発酵性食物繊維(不溶性食物繊維)】
アラビノキシラン 穀類(オーツ麦、玄米、大麦、全粒小麦)

【発酵性食物繊維(デンプン)】
レジスタントスターチ 豆類(あずき、インゲン豆)、いも類(さといも、さつまいも)

これらを私たちが食べると、腸内の酪酸菌が大喜びで食べて酪酸を生んでくれるわけです。豆や根菜、海藻、きのこ、玄米など古くから日本人が食べてきたものばかりなので、老化の加速や大病を遠ざけたい方は積極的に取り入れましょう。

このように菌が食物を取り入れて、人体に有用な代謝物を生み出す過程を「発酵」と言います。反対に毒素など人体に有用でない代謝物を生み出す過程が「腐敗」です。

ご飯は冷たいまま食べるのがいい理由

不溶性食物繊維のレジスタントスターチは「難消化性デンプン」と呼ばれ、腸の奥深くまでデンプンのまま運ばれます。ここに挙げた豆類やいも類にも含まれますが、ほかに「冷たいご飯」にも含まれる成分です。

昔は冷えたご飯もよく食べられ、江戸時代の庶民は朝に炊いた米をおひつに移し一日かけて食べていました。その後、保温できる炊飯器や電子レンジが普及したことで、すぐに温かいご飯が食べられるようになり、おにぎりやお弁当以外で冷たいご飯を食べる機会は減っています。この昔ながらの冷えたご飯が制御免疫をつくるうえではとても都合がよかったというのは、なんとも興味深い話です。

お弁当
写真=iStock.com/KarinaUrmantseva
※写真はイメージです

レジスタントスターチは特にわかりやすいですが、発酵性食物繊維には食物繊維のなかでも「消化されにくい」という特徴があります。これは大腸の最後のほうにたどり着くまで、腸内細菌によって発酵などされずに残っているということです。

腸内細菌には嫌気性菌(酸素を嫌う菌)と、好気性菌(酸素を好む菌)とがいて、酪酸菌は嫌気性、なかでも酸素が少しでもいると死んでしまう「偏性嫌気性菌」です。嫌気性のものには酪酸菌をはじめとした善玉菌が多く、好気性のものには悪玉菌が多く含まれます。

腸内でも、小腸には酸素がありますが大腸にはありません。そのため酪酸菌が棲んでいるのは大腸、しかもかなり奥のほうです。つまり、胃や小腸で消化されるものでは酪酸菌にまで届かないため、難消化性のものである必要があるということです。