いつまでも健康で過ごすためには、何を心がければいいのか。医学博士の飯沼一茂さんは「あらゆる病気のもととなる『免疫暴走』を防ぐためには、制御免疫を増やすことが大切だ。制御免疫のきっかけとなる『酪酸菌』を増やす食生活を心がけるといい」という――。

※本稿は、飯沼一茂『倍速老化』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

日本の食事風景
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まずは「1日8000歩」から始めよう

免疫暴走を抑えるには、何を差し置いても体内のゴミを増やさないようにする必要があります。それには、まず過食や過度なアルコール摂取を控えることが効果的です。どちらも脂肪細胞を肥大化させ、体内のゴミを大きく増やしてしまうからです。

もちろん発生したゴミを体外へ排出することも大切です。それには適度な運動が効果的。体を動かし血流を上げることには、体内に滞ったゴミをゴミ処理場であるリンパ節へ押し流す効果があります。

おすすめしたいのは1日8000歩程度のウォーキングです。運動習慣がないと大変に感じるかもしれませんが、電車通勤している方なら行きと帰りにひと駅分、十数分ずつ歩くなどで達成できるはずです。

あまりにハードな運動は免疫の力が落ちてしまうため、避けたほうがよいのですが、1日8000歩程度のウォーキングなら何の問題もありません。筋肉を激しく損傷したり臓器に過度の負担をかけたりすることなく、全身の血流を上げられます。

そこまでの歩数が無理だったとしても、まずは歩く習慣をつけ、血流が上がる時間を積極的に増やすよう意識してみてください。

「朝食前の歯磨き」で人生が変わる

そして朝の歯磨きは「朝食後でなく起床後すぐ」が鉄則。食べ物とともに歯周病菌を飲み込むと、体内のゴミを激増させ糖尿病やうつのリスクが高まります。大げさでなく、朝食前の歯磨きを習慣にできるかどうかで人生が変わるとお考えください。

化学物質の摂取や利用をできるだけ減らしていくことも、ゴミ削減に有効です。ただ、身のまわりにあるものを挙げればキリがないですし、すべて排除できるものではないでしょう。それでも合成保存料、合成着色料、合成洗剤、合成肥育ホルモン剤などを極力摂取しないようにするだけで、体内に広がり続けるゴミは削減可能です。できることを一つでも見つけ、実践してみてください。

残留農薬については、アメリカでは、「Dirty Dozen」と「Clean 15」というリストが発表されています。これは、アメリカの環境保護団体が同国農務省(USDA)からの最新試験データを分析して毎年発表するもので、残留農薬が多かった野菜や果物12品目を「Dirty Dozen」、残留農薬の少なかった15品目を「Clean 15」として挙げています。