友達をつくるにはどうしたらいいか。心理学者で友情の研究を行うマリサ・G・フランコさんは「友達をつくるのに、話し上手であることや人間的魅力があることはあまり関係ない。人は自分を好いてくれた人を好きになる。相手に愛情表現をすることが大切だ」という――。

※本稿は、マリサ・G・フランコ『FRIENDSHIP 友情のためにすることは体にも心にもいい』(日経BP)の一部を再編集したものです。

自然の中を歩きながら話す幸せな女性たち
写真=iStock.com/skynesher
※写真はイメージです

愛情を表現することは友情を深める

「友情の発展と維持」というタイトルがついた研究で、ユタ大学のロバート・ヘイズ教授は、芽生えたばかりの友情における行動を追跡調査しました。

友達になる見込みのあるふたり組を12週間にわたって追跡し、さらに数カ月後にフォローアップの調査を行い、どの組が最終的に友達になるかを予測できるか調べました。

友情が築けたふたりとそうでなかったふたりとの違いは何だったのでしょうか? 友情が築けたふたりは、お互いにたくさんの愛情を表現し合ったのでした(※1)

ヘイズ教授は、友達との距離を縮めるさまざまなことは多くの場合、友情が始まってすぐか、お互いを知った直後という段階でとりわけうまく作用することに気づきました。

しかし、愛情は、どの段階においても距離を縮めました。

たとえばテレビを一緒に見るなど何かを一緒にする行為は、すでに友達である人たちについては距離を縮めましたが、友達になりたての段階ではそこまでの効果はありませんでした。一方で愛情は、その時点での距離にかかわりなく、人を近づける効果があったのです。

愛情は、まだ胎児のような初期段階の友情にも力を発揮しますが、その友情が白髪まじりになり、仕事と生命保険を手にして慎ましく年金を積み立てるくらいの段階になっても変わりません。

相手にどれだけ感謝しているか、大切に思っているか、どれだけよい点があると思っているかを伝えることで、そのときの距離にかかわりなく友情は育ちます。愛情を示せば示すほど、単に新しい友達ができるだけでなく、すでにある友情も深まるのです。

※1 Robert B. Hays, “The Development and Maintenance of Friendship,” Journal of Social and Personal Relationships 1, no. 1 (1984): 75–98.