愛情を受け取って気まずく感じる人は少ない

本書ではここまで、人はなぜ友達に愛情表現をしないのか、詳しく見てきました。

愛情表現をしないばかりでなく、相手に愛情を伝えないといかに多くを失うかを、私たちは過小評価しています。

ある実験では、実験参加者に感謝の手紙を書いてもらい、受け取った人がどれだけ喜ぶか、あるいは気まずく感じるかを、書いた本人に予想してもらいました。そして手紙を受け取った人たちは、実際に自分がどれだけ喜んだか、あるいは気まずく感じたかを報告しました。

結果はもちろん、実験参加者は、手紙の受け手が感じる気まずさの程度を実際よりも高く予測し、喜びの程度を実際よりも低く予測していました。

マリサ・G・フランコ『FRIENDSHIP 友情のためにすることは体にも心にもいい』(日経BP)
マリサ・G・フランコ『FRIENDSHIP 友情のためにすることは体にも心にもいい』(日経BP)

同じ論文で取り上げられている、この後に行われた別の実験では、自分の愛情が受け手にどれだけ影響があるかを軽視する人ほど、愛情を表現しない傾向にありました。

このバイアスは本当に困った問題です。

研究者は次のように記しています。

「感謝に対して受け手がどれほどポジティブに反応するかを誤解しているせいで、人は実際よりも感謝の頻度を減らすかもしれず、これがポジティブなやり取りに対する見当違いな障壁となる可能性がある」

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