IPを根付かせるのは原作の力だけではない
赤坂駅構内からの地上にのぼる階段にはホグワーツの動く階段がイメージされ、「呪いの子」でも重要なアイテムとなったタイムターナー(逆転時計)像が屹立する。テーマカフェとしては日本トップのLTR社が展開するハリーポッターカフェがあり、限定ストア「ハリー・ポッター マホウドコロ」も並ぶ。
赤坂駅から赤坂ACTシアターに続く道はWizarding World Streetとして「ハリー・ポッター」IP一色に世界を彩っている。
IPを根付かせるのは原作の力だけではない。IPとファンの関係性を「終わらせない」という企業同士の覚悟と投資こそが、信頼とブランドの道を築くのだ。
2023年は「バック・トゥ・ホグワーツ」擁するUSJが、「スーパー・ニンテンドー・ワールド」とともに盛り上げを加速させ、ついに集客数1600万人と国内トップの東京ディズニーランドを超え、世界3位になった記録的な年でもある。
次は「ハリー・ポッタースタジオツアー東京」や舞台「呪いの子」の番だろう。
ハリポタ人気はすでに20年の歴史を数え、母が娘にと2世代で継承される趣味になりつつある。原作が終わり、映画が終わり、といった「寿命」と闘いながら、企業の営為とファンの熱望がIPの恒久化への道を敷くのである。