運動神経を維持すれば健康長寿に役立つ

あなたはフラフラせずに30秒間、片足で立つことができるだろうか?

50歳を超えると片足立ちができなくなる人が多いという。原因は筋肉の減少というよりも、体が硬くなること。実際にやってみるとわかるが、片足立ちは足だけで立とうとするより、みぞおちから下を動かすようなイメージで、足をぐっと持ち上げるほうがバランスが取りやすい。腰まわりが硬くなると、この足を持ち上げること自体が難しくなるのだ。

片足で立つヨガのシニア
写真=iStock.com/xavierarnau
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「片足で立てない人は運動能力も低下しているはず。投げる、走るなど、スポーツは片足の連続です」

と、アスリートから80代の高齢者まで幅広くサポートしてきたトレーナーの鈴木亮司氏は説明する。

「運動が不得手で片足立ちをするのが怖い人は、腰をくるくる回せるかどうかで確認してもかまいません。片足立ちや腰回しがスムーズにできない人は体が硬い黄信号。猫背や腰痛などの症状もあるなら、それは体の機能が低下していることの現れです」

では、どのようなトレーニングをすると若々しい体を維持できるのか。体の衰えを感じたとき、筋トレに励む人もいるだろう。もちろんそれも間違いではないのだが、血管や関節への負荷が大きくなる。鈴木氏はかつて厳しい筋トレで体を壊した。

「以前は格闘家でしたのでバーベルを持ち上げるなど、常時体に力を入れる練習をし、体のどこかがすぐ壊れる状態でした。ついには眼窩底骨折(眼球周囲の骨折)まで起こしてしまい……。筋トレの代わりにさまざまな軽い体操を始めたのです。すると、体の動きが良くなりました。スポーツで失敗したときに『力が入りすぎた』とよく言いますよね。運動神経の良さは、力を入れて頑張るのではなく、上手に力を抜くことだと実感しました」

現代の日本人は力を抜いた動作を「サボる」と捉えがちだ。肩の力を抜いて楽しむような運動習慣がないため、「力を抜いて動作することが苦手な人が多い」と鈴木氏が指摘する。

「従来のトレーニングの多くが『力を振り絞る』『気合を入れる』といった緊張を要求するものでした。そのため日本人は力んで頑張ることがトレーニングだと信じきっている。しかし、本当の力を発揮するときには力んではダメなのです」

鈴木氏は体の深部の筋肉「大腰筋」の力を重視する。