日常使いもできるおいしい非常食の正体

常温で長期間保存できる「ロングライフ食品」をご存知だろうか。

南海トラフ地震をはじめ災害時の備えとして「『非常食』を準備しなくては」と危機感を持つ人が多いだろう。だがそれよりも、日頃から使えて、かつ災害時の備えにもなる「ローリングストック」が社会的には推奨されている。普段の食品を少し多めに買い置きし、消費期限の古いものから飲食し、消費した分を補充すれば常に一定量の食品が家庭で備蓄される。

このローリングストックに、ロングライフ食品はとても適している。災害時には麺やパンなどの炭水化物が中心になりやすいが、ロングライフ食品は牛乳や豆腐などタンパク質が豊富な商品が多数ある。何より日常的に食べられるおいしさがあるのだ。

私は先日、冷奴が食べたいとスーパーで豆腐を探していたときに、中身が見えない特殊パッケージに「常温保存可能品」と書かれた商品に目がいった。「国産大豆、にがり(塩化マグネシウム)」のみの原材料で内容量300グラム、価格は税込約140円、常温で数カ月の保存が可能という。余計な添加物の入っていない豆腐を探していたのだが、冷蔵ケースに数十種類並ぶ豆腐はどれも複数の添加物が使われていた。だから私は迷わず常温保存可能品、つまりロングライフの豆腐を購入したのだ。パッケージの端をハサミで切り、手で押し出すように力を加えると、豆腐がにゅっと出てきてそのまま皿にのせて食べられる。大豆の味が濃く感じられた。シンプルな原材料、高価でない、味がいい、そして常温での長期保存が可能なのだから最強だ。