ロードサイドに増えた「○○珈琲店」
チェーンストアウォッチャーをしていると、さまざまな地方のいろいろな店舗を訪れることになるのだが、地方では見に行きたい店のほとんどが駅の近くにはないため、クルマでぐるぐると回ることになる。首都圏出身でも16号線沿いエリアを本貫とする自分としては、若いころからクルマ(10年以上落ちの中古車)を乗り回すような部類なので、クルマで知らない場所を回るのは性に合っていて、まったく苦にならない。
昔はちょっとブレイクタイムと思ったら、地方の郊外ではファミレスかファストフードの店に立ち寄るぐらいしか選択肢はなかったのだが、最近は地方のロードサイドでもカフェが増えてきた。○○珈琲(店)という漢字名のカフェが、ロードサイドに増えたからなのだが、このタイプをチェーンとして広めたのが、ご存知、コメダ珈琲店であろう。
突出して利益率の高いコメダ
カフェチェーンと言えば、今やなんといってもスターバックスであり、売上高、店舗数、共にトップとなっている。ほかにも老舗ドトールが1200店舗以上を展開してその存在感を維持しているのだが、今やドトールに匹敵する国内約1000店舗にまで拡大してきたのが、コメダ珈琲である。次いで、タリーズ、サンマルク、C-United(カフェベローチェ、カフェ・ド・クリエ、珈琲館などを展開する)などが大手クラスのようだ(図表1)。
この表を見て気付くのは、コメダは他社比で突出して利益率が高い、ということである。コメダはなぜこんなに儲かるのか、そのあたりをみていくと、コメダがこんなに成長した理由もわかるかもしれない。少し、その中身を見ていくことにしよう。
コメダは、「名古屋式喫茶ともいわれる」「頼んでいなくてもモーニングセットが付いている」なんていう、おまけの充実したフルサービスの喫茶チェーンであるが、今は首都圏でも普及しているので、どんな店か知らないという人は少なくなったのではないか。落ち着けるソファでゆったり時間を過ごすことができるレトロな感じのハードと併せて、中京地域以外でも定着してきた。こうした感じの店はかつて街の中心部にあった古き良き喫茶店といった場所なのだが、コメダはこれを郊外ロードサイド立地で持続可能なモデルとして確立したことで、全国区のチェーンとなった。