「ラーメンライター」の聞く技術
最後にご紹介したいのが、第12位の『「ここだけの話」を聞く技術』。
著者の井手隊長は、ラーメン店の取材記事を年間100本以上執筆するラーメンライター。職人気質で寡黙な人も多いラーメン店主から“とっておきの話”を聞き出す技術に強みがあります。
著者が取材やインタビューの前に必ずやっているのは「仮説を立てる」こと。店のホームページや店主のSNSをチェックしたり、ほかのメディアで取り上げられた記事を読んだりして情報収集するとともに、この店主はどんな経歴でどういう苦労をして店をオープンさせ、人気店へと育て上げたのかという「仮説」を立てるのだといいます。
ここまで準備に時間をかける理由は、事前準備をしなければ、基本情報をヒアリングするだけで時間切れになってしまうから。事前に情報収集し、仮説を立てておけば、仮説との差分を感じながら話を聞けて、より良いアウトプットができるのです。
本書には、インタビューはもちろん、新規商談やヒアリングにも使えるテクニックが詰まっています。聞く力を磨きたい方はもちろん、「ラーメンライター」という仕事の裏側をのぞいてみたいなら、ぜひ手に取ってみてください。
今月も、説明術から資産運用、ChatGPT&Copilotまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第1位だった『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が第17位、第5位だった『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』が第11位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。