元・AKB48指原莉乃のスピーチはすごい

第2位は、話し方トレーニングサービスを提供するカエカの代表、千葉佳織さんが、秘伝のノウハウを明かした『話し方の戦略』でした。

千葉佳織『話し方の戦略』(プレジデント社)
千葉佳織『話し方の戦略』(プレジデント社)

本書の特徴は、著名人のスピーチ事例を紹介しながら、“そのスピーチのどこがすごいのか”“そのすごさを再現するには、どんなテクニックを使えばいいか”を教えてくれる点。

「弱みの自己開示」によって聞き手の共感・応援を引き出すのが上手な人として紹介されているのは、元・AKB48の指原莉乃さんです。指原さんは、2015年の「選抜総選挙」で見事1位に返り咲いた際、スピーチでこのように語りました。

「AKBに入って、なかなかセンターになれない私は、どうやったらセンターになれるんだろうと、ずっと考えていました。(中略)考えたけど、なれませんでした。私は開き直りました。私は指原莉乃をやり通そう、そう決めました。(中略)今年は、こんなに自分に自信のない指原が1位になることができました。全国の自分に自信のないみなさん、私のように、いじめられて、ひきこもりになって、親にたくさん迷惑をかけてしまったみなさん、日の当たっていないみなさん、私は、もう一度1位になることができました」

このように、自分の弱みをあえて開示することで、努力や苦労が伝わり、聞き手の共感を呼ぶスピーチになるのです。

このほかにも、第44代アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマ氏やお笑い芸人の江頭2:50さんなどのスピーチを例に挙げて、スピーチのコツを解説してくれます。大事なスピーチやプレゼンの前に必ず読みたい一冊です。

人気予備校講師が教える「説明の型」

第3位には『「よい説明」には型がある。』がランクインしました。業界最難関といわれる駿台予備学校の採用試験に当時最年少の25歳で合格し、3000人超動員の人気講座を開発した犬塚壮志さんが、説明に使える「11の型」を教えてくれる一冊です。

犬塚壮志『「よい説明」には型がある。』(日本経済新聞出版)
犬塚壮志『「よい説明」には型がある。』(日本経済新聞出版)

犬塚さんによると、型を使うことのメリットは以下の3つ。

・話を素早く組み立てることができる
・説明の成功確率を上げることができる
・自分独自の型がつくりやすくなっていく

まずマスターしたい「型」は、説明を聞くとどんな得があるかを伝える「メリット訴求」。これは4つのステップから構成されています。

・ステップ1:聴き手が潜在的に感じている問題を言語化し、痛いところをつくことで、問題や課題を自覚してもらう
・ステップ2:すでに成果を上げた人の事例を紹介し、聴き手に具体的な成功のイメージを持ってもらう
・ステップ3:そのメリットを提示できる理由や根拠を伝える
・ステップ4:聴き手の行動を促す

本書には、今日から使える「型」が詰まっています。営業やカスタマーサクセスなど、社外とのやり取りが多い職種の方はもちろん、口下手で悩む方や、自分の市場価値を上げたい方にもおすすめです。