「論理的思考問題」で考える力を身につける
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』でした。発売約2カ月で11万部を突破し、人気テレビ番組でも紹介されるなど、いま注目のベストセラーです。
本書では、著者の野村裕之さんが古今東西から集めた「論理的思考問題」が67問紹介されています。「論理的思考問題」とは、特別な知識は不要で、論理的に考えれば答えにたどり着ける問題のこと。野村さんは本書で、「論理的思考問題」に取り組むことで「考える力」が身につくとしています。
難易度★☆☆☆☆の問題として出題されているのは「3人の村人」。以下のような問題です。
あなたの前に3人の村人がいる。1人は天使、1人は悪魔、1人は人間だ。天使は必ず真実を言い、悪魔は必ず噓をつき、人間はランダムに真実や噓を言う。
3人の村人(A、B、C)は次のように言った。
A:私は天使ではない。
B:私は悪魔ではない。
C:私は人間ではない。
さて、村人それぞれの正体は?
あなたはこの問題が解けるでしょうか。ポイントは「この問題では『もしAが天使だとしたら』『悪魔だとしたら』と仮定していき、矛盾が起きるパターンを排除していくことです。
楽しみながら「頭のいい人」に近づける本書。毎日1題ずつ挑戦してみてはいかがでしょうか?
読書のプロが「読む前」にやっていること
第9位の『読む・聞く、まとめる、言葉にする』にもご注目ください。
本書は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」の編集者・インタビュアーとして、約850冊の要約制作、約570名に対するインタビューに携わってきた松尾美里さんが、「読む・聞く、まとめる、言葉にする」ノウハウを明かした一冊です。
まず注目していただきたいのは、アウトプットのための読書で意識するといい2つのポイントです。
1つめのポイントは、カバー・帯・目次から「見取り図」をつくり、構造を頭に入れて読むこと。カバー、帯、「はじめに」の順に読み、「本のテーマ」「ターゲット読者」をつかむことで、その本の要点を把握できます。さらに「目次」を読んで本全体の構造を把握することで、自分に必要な箇所がわかり、読むスピードが上がるといいます。
2つめのポイントは、問いを持って「宝探し」をする感覚で読むこと。「睡眠に関する本から、今日から実践できる熟睡するための方法をつかむには?」といった問いを頭の中に浮かべておくと、その本のポイントが目に飛び込んできやすくなり、効率的に読み進められます。
「読む・聞く、まとめる、言葉にする」ノウハウが満載の本書は、編集・ライティングを仕事にしている方はもちろん、メンバーの話を「聞く」力に課題がある方や、センスのいい言語化ができるようになりたい方にもおすすめです。