多種多様な人々が集まる「究極のダイバーシティな場」
私の周りだけでもこれだけバラエティに富んでいるので、探せば「元○○」の藝大生はもっと多いはずです。
また、他の美術系の大学にいったんは入学しながらも、仮面浪人を経て入学する人が多いのも特徴です。
このように、一般の大学のように偏差値に基づいた定量的な基準がないため、多種多様な人々が集まる「究極のダイバーシティな場」というべき大学なのです。
では、どのような基準で、どのような試験を経て入学が許可されるのか?
これについて興味を持たれる方も多いと思います。こちらはこのあと詳細を述べていきます。
8浪して入る学生もいる
一般の大学に比べると多浪生(2浪以上での合格者)の割合が高いのも、東京藝大の大きな特色といえるでしょう。
2020年の大学入試全体における現役合格率は77.6%となっている中で、東京藝大が発行している「大学案内2021」によると、美術学部の現役合格者比率はわずか22.5%です(参考までに、東京藝大の音楽学部の現役合格率は78.8%と、一般の大学入試の現役合格比率よりもやや高い数字)。
私が今まで出会った卒業生の中では、8浪されたという方がいました。
8浪、つまり小学校入学から中学2年生までと同じ年月を浪人生活に費やして合格を果たしたのです、驚嘆すべき事実ではありませんか。