「上野動物園や葛西臨海水族園の動物や生物を自由に選んで描く」

実際に目を通していただいて、見事なまでの「傾向のなさ」に驚かれたのではないでしょうか?

また、過去の試験では、上野動物園や葛西臨海水族園にいる動物や生物を自由に選んで描くということもありました。

「上野動物園や葛西臨海水族園の動物や生物を自由に選んで描く」場合も
写真=iStock.com/winhorse
「上野動物園や葛西臨海水族園の動物や生物を自由に選んで描く」場合も(※写真はイメージです)

このように、予測不可能な問題が毎年出題されるのです。

「出題意図」を読んでみる

また、2019年度(平成31年度)以降は、入試問題の出題意図も同じく東京藝大のウェブサイトで公表されていますので、少し長いですが、2020年度(令和2年度)のものを引用します。

〈令和2年度 絵画科油画専攻学部入学試験 出題意図〉

本専攻の入学試験は思考力、観察力、表現力を重視し、面接試験を含めた総合的な評価により芸術家としての可能性を見出すものである。

・第1次実技試験
(出題文)「三つの手」
素描では、絵画の基本的な表現力を判断する。対象物をよく観察し、固有の形態や質感、色彩を的確に描写したか、出題をどのように理解し、表現したかを問うた。

・第2次実技試験
(出題文)「絵を描きなさい」
「絵を描きなさい」という出題、つまり何を描くか? は自由。おそらく沢山ある選択肢の中から自分で決めなければならない。それをどう描くか? どのように描くか? を問うものである。